現状、ほとんどのWindowsは64bit版が利用されていますので、基本的には以下は 64bit を前提として説明します。 インストールしているWindowsが32bit版の場合は、OpenRTM-aistやその他のソフトウェアは32bit版をインストールする必要があります。
NOTE: 基本的にすべて64bit版のソフトウェアを使用してください。
OpenRTM-aistを利用するには、Python、CMake、Doxygen、Visual Studio等のソフトウェアのインストールが必要です。
C++版の開発だけでなく、Python版、Java版のRTCを作成した際に、インストーラをビルドするのにも必要です。 以下のCommunity版(無料)をインストールするか、別途Visual Studio 2010/2012/2013/2015/2017/2019を入手してインストールしてください。
NOTE: Python2.7は2020年4月にサポートが終了しました。使用は推奨されていません。 OpenRTM-aist-1.2.2でもPython2.7は一応利用することはできます。
PythonはPython言語版のRTCの開発だけでなく、OpenRTM-aistの様々なツールでも使用していますので必ずインストールする必要があります。 2020年11月現在、サポートが提供されているPythonは 3.6, 3.8, 3.7, 3.9 (2020年10月リリース) ですが、OpenRTM-aistがサポートしているのは 3.6~3.8 までです。 最新版をインストールすることをお勧めします。
CMakeはWindowsやLinux等様々な環境でビルドに必要なファイル(Visual Studioのプロジェクトファイル、Linux上のMakefile等)を自動生成するために必要です。
Doxygenは、ソースコード等のコメントからドキュメントを自動生成するツールです。 Graphvizは、Doxygenでドキュメントを生成する際に、クラス図等の図を生成するために必要とされるツールです。 OpenRTM-aistでは、RTCBuilderでRTCの設計時に様々な設計情報を記入することができ、それらはソースコードのコメントとして出力されます。 これをDoxygenで処理することで、RTCのキレイなドキュメントを生成することができます。
インストールの途中で[Install Options]としてsystem PATHをどうするかを聞かれますが、Add CMake to the system PATH for all usersを選択することを推奨します。 上記WebページからWindows版のバイナリ実行形式ファイルをダウンロードして実行してインストールしてください。
インストール後、コマンドプロンプトで dot -v を実行してプラグイン情報が表示されることを確認して下さい。
>dot -v dot - graphviz version 2.44.1 (20200629.0846) libdir = "C:\Program Files\Graphviz 2.44.1\bin" Activated plugin library: gvplugin_dot_layout.dll Using layout: dot:dot_layout Activated plugin library: gvplugin_core.dll Using render: dot:core Using device: dot:dot:core The plugin configuration file: C:\Program Files\Graphviz 2.44.1\bin\config6 was successfully loaded. render : cairo dot dot_json fig gdiplus json json0 map mp pic ps svg tk vml xdot xdot_json layout : circo dot fdp neato nop nop1 nop2 osage patchwork sfdp twopi textlayout : textlayout device : bmp canon cmap cmapx cmapx_np dot dot_json emf emfplus eps fig gif gv imap imap_np ismap jpe jpeg jpg json json0 metafile mp pdf pic plain plain-ext png ps ps2 svg tif tiff tk vml xdot xdot1.2 xdot1.4 xdot_json loadimage : (lib) bmp eps gif jpe jpeg jpg png ps svg
下記のように表示された場合、管理者でコマンドプロンプトを開き、dot -c を実行後に dot -v を実行すると上記のように表示されます。
>dot -v dot - graphviz version 2.44.1 (20200629.0846) There is no layout engine support for "dot" Perhaps "dot -c" needs to be run (with installer's privileges) to register the plugins?
管理者でコマンドプロンプトを開く方法は、Windows10の検索窓に cmd と入力し、検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
上記のソフトウェアのインストールが完了したら、OpenRTM-aistのインストールを行います。
OpenRTM-aistのWindows版のインストーラ(msi形式)を以下のページからダウンロードします。
このインストーラには、以下の内容が含まれています。
したがって、ファイルサイズが1GB近くあり、ダウンロードに多少時間がかかります。ご注意ください。
msiファイルが正しくダウンロードされたら、ファイルをダブルクリックしてインストールを開始してください。 以下のようなインストーラが起動しますので 「次へ」 をクリックして進みます。
使用許諾契約書が表示されますので、ソフトウェアライセンス条項に同意します にチェックを入れます。 なお、OpenRTM-aist は LGPLv3、OpenRTPはEPL v1.0 ライセンスです。
ユーザアカウントごとにインストールするか、すべてのユーザが使えるようにインストールするか選択します。 現在インストールを行っているアカウントが管理者権限があれば、「すべてのユーザにインストール」 を推奨します。
使用しているVisual Studioのバージョンを選択します。
セットアップの種類を選択します。「標準」と「完全」は同じで、すべての項目をインストールします。通常か 「標準」 を選択します。
「カスタム」 をクリックすると、インストールする項目を選択できます。特定の言語のみインストールしたい場合などはこちらを選択します。
インストールを開始すると、以下のようなダイアログが出ます。「はい」 をクリックして先へ進んでください。
すべてインストールが完了すると以下の画面となります。「完了」 を押してウインドウを閉じてください。 以上でインストールは完了です。正しくインストールされているかどうかは、「OpenRTMを10分で始めよう・サンプルコンポーネント」 などを見ながらサンプルコンポーネントを実行するなどして確認してください。
インストーラーは以下の作業内容に従ってファイルのコピー、システム設定を行います。 インストール、アンインストールが正しく行われているかの確認する際の参考のために以下に記しておきます。
RTM_BASE=C:\Program Files\OpenRTM-aist\ RTM_ROOT=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\ RTM_VC_VERSION= //ここにはユーザーが指定したVisual StudioにのっとったVCのバージョンを指定するテキストが入ります RTM_JAVA_ROOT=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\ OMNI_ROOT=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\omniORB\4.2.3_%RTM_VC_VERSION%\ OpenCV_DIR=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\OpenCV3.4\ OpenRTM_DIR=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\cmake\
C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\bin\%RTM_VC_VERSION%\ C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\omniORB\4.2.1_%RTM_VC_VERSION%\bin\x86_win32\ C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\OpenCV3.4\%RTM_VC_VERSION%\bin\
RTM_BASE=C:\Program Files (x86)\OpenRTM-aist\ RTM_ROOT=C:\Program Files (x86)\OpenRTM-aist\1.2.1\ RTM_VC_VERSION= //ここにはユーザーが指定したVisual StudioにのっとったVCのバージョンを指定するテキストが入ります RTM_JAVA_ROOT=C:\Program Files (x86)\OpenRTM-aist\1.2.1\ OMNI_ROOT=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\omniORB\4.2.3_%RTM_VC_VERSION%\ OpenCV_DIR=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\OpenCV3.4\ OpenRTM_DIR=C:\Program Files\OpenRTM-aist\1.2.1\cmake\
C:\Program Files (x86)\OpenRTM-aist\1.2.1\bin\%RTM_VC_VERSION%\ C:\Program Files(x86)\OpenRTM-aist\1.2.1\omniORB\4.2.3_%RTM_VC_VERSION%\bin\x86_win32\ C:\Program Files(x86)\OpenRTM-aist\1.2.1\OpenCV3.4\x86\%RTM_VC_VERSION%\bin\
ファイルは以下のような構造でインストールされます。
<install_dir> + OpenRTM-aist + 1.x.x :旧バージョンのランタイム + 1.2.1 + bin: dll、lib各種コマンド + cmake: OpenRTMConfig.cmake + coil: coilヘッダファイル + Components + C++ + Examples: C++サンプルコンポーネント + OpenCV: OpenCVのC++サンプルコンポーネント + Java: Java サンプルコンポーネント + Python: Python サンプルコンポーネント + etc: rtc.confサンプル + jar: jarファイル + jre: OpenJDK JRE + omniORB + OpenCV3.4 + rtm: OpenRTM-aistヘッダファイル + ext: 拡張モジュール用ファイル + idl: OpenRTM-aistIDLファイル + util + ExcelControlpy: PythonベースのMicrosoft Office用RTC + OpenRTP: RTCBuilderとRTSystemEditorツール + PowerPointControlpy: Microsoft Office PowerPoint用RTC + python_dist: pythonベースツール共通ライブラリ + RTCDT: PythonベースRTCの開発を支援するツール + rtc-template: RTCBuilderと似た機能を提供する古いツール + RTSystemEditor: RTSystem Editorのみのファイル + VCVerChanger: 使用しているVisual Studioのバージョンを指定するツール + WordContrlpy: PythonベースMicrosoft Office Word用RTC
以下のページからVisual Studio Community 2022のインストーラーを入手してください
[Community]とラベルされた下の[無料ダウンロード]ボタンをクリックするとインストーラーのダウンロードが始まります。
ダウンロードが終了したら、ダウンロードしたファイルを開いて実行してください。指示にしたがってクリックしていくと以下の画面が表示されるので、[C++によるデスクトップ開発]にチェックを入れて[インストール]ボタンをクリックしてください。
インストールが完了するとサインインを求める画面が表示されるため、Microsoftアカウントでサインインしてください。サインインしなくても30日間は使用できます。 Microsoftアカウントの手順は以下を参考にしてください。
C++によるデスクトップ開発機能がインストールされているかを必ず確認してください。
Visual C++のプロジェクトを作成できれば問題ありません。 まず、[新しいプロジェクトの作成]をクリックしてください。
この時、
[空のプロジェクト
Windows用にC++で最初から始めます。開始ファイルは提供しません]
などが選択肢にあればインストールに問題ありません。
インストールされていない場合は、
[探しているものが見つからない場合
さらにツールと機能をインストールする]
をクリックするとインストーラーが起動するので、[’’C++によるデスクトップ開発機能’’]をインストールしてください。